生物の名前がついた症状

swan neck RA
鷲手 ulnar
クモ状指 Marfan
猿手 median
猿線 Down
 
正中神経麻痺
低位と高位:肘
主根管症候群 Phalen, Tinel, hand raising
Colles(手掌) Smith(手背) フォーク状変形
高位麻痺 低位の症状に加え、前腕回内不可。祈祷手
 
尺骨神経麻痺
開放創 上腕骨か上骨折
低位 Guyon管症候群
Froment徴候
高位 肘部管症候群
深指屈筋麻痺 環指・小指
 
RA Swan neck, ボタン穴
Marfan AD FBN1
水晶体上方亜脱臼、漏斗胸、高口蓋、clear thumb、wrist sign
下方はホモシスチン尿症
 
ハニカム、バタフライ陰影
 
魚椎(骨粗鬆症) 楔状椎、逆楔状椎、扁平椎 胸腰椎移行部
スコッチテリアの首輪(脊椎分離症) 椎弓根部下関節突起、小児男子、L5好発
亀背
 
クモ状血管腫(肝硬変)
蝶形紅斑(SLE)
サーモンピンク疹(Still病) WBC↑、弛張熱、Kobner現象、RF(-)、不明熱、成人にはステロイド、小児はNSAIDs
狼そう(尋常性狼そう) 皮膚結核、真性皮膚結核TB(+)、結核疹TB(-)、有棘細胞癌、皮膚腺病(冷膿瘍)、皮膚ゆう状結核
硬結性紅斑 ツ反強陽性
 
5p-
犬吠様咳嗽(クループ症候群) 上気道喉頭閉塞
真性:ジフテリア(DTPのため稀)
仮性:パラインフルエンザ(冬)
 
Bull'eye(転移性肝癌)
カメレオンサイン(肝血管腫) 体位変換や息止めでエコー輝度が変わる 綿花状濃染
 
owl's eye CMV
牛眼 先天性緑内障
 
goose neck sign ECD
キャタピラ細胞 RA弁膜症
 
ミミズ腫 varix
うに状赤血球 PK欠損症
 
鶏歩 腓骨神経

転倒

40歳代F
救急車で来院。
昼食中突然持っていた茶碗を落とした。
立って歩き始めたが1-2mで倒れた。
意識もぼんやりしている。
 
錐体路症状
運動麻痺のDDx
 
一次ニューロン
脳卒中
TIA
てんかん()
MS
脳炎
 
二次ニューロン
脊髄血管梗塞
頚椎症
GBS
主根管症候群
CMT
 

PM/DM
筋ジストロフィー
カリウム
周期性四肢麻痺
ミトコンドリア脳筋
 
神経筋接合部
MG
LE
 
その他
外傷(慢性硬膜外血腫)
腫瘍
薬剤
PD(?)
 
上位ニューロンって何?
運動野-脊髄前角
 
O:本日昼食時。
吐き気(-)
左に持っていた茶碗を落とした。
左に倒れた。
 
既往歴:同じような症状は過去にない。20代頃タンパク尿で入院。腎症。35- 高血圧。48- 運動中に気分不良。
BP 220/120 mmHg → 140/80 mmHg
MRIで無症候性脳梗塞多発
服用薬:高血圧
 
DTR
一次:亢進
筋:低下
Ia繊維→脊髄→α運動ニューロン
DMのDTR↓は?Ia繊維の鈍化らしい。
 
fasiculation
二次
 
筋萎縮
一次:保たれる
それ以外:起こる
 
病的反射:一次
 
身体所見
GCS 1 BP 170/100
言語正常
脳神経:顔面感覚が左で低下
筋萎縮:なし
DTR:左上下肢亢進
病的反射あり
左半身で感覚低下
皮質症状なし
その他一般身体所見正常(らしい)
 
血液
凝固・線溶正常
Cr 1.3 GFR 35
尿 タンパク++ 潜血+
心電図 異常なし
眼底所見 網膜静脈閉塞、眼底出血、白斑
 
高血圧性脳出血→どこ?
顔面含む左完全片麻痺→右
皮質症状なし→皮質でない
感覚障害あり→視床
 
視床出血
 
無症候性脳梗塞
HT, DM, DL, 喫煙, IHD
 
麻痺の分類
運動麻痺
片麻痺
対麻痺
四肢麻痺
 
よくこんがらがる末梢神経障害
mononeuropathy

Mononeuropathy is damage to a single peripheral nerve.

一本の神経がやられる。圧迫など。
 
polyneuropathy

Polyneuropathy is the simultaneous malfunction of many peripheral nerves throughout the body.

多くの末梢神経が一斉にやられる。感染症、薬物、毒物、自己免疫など。
 
multiplemononeuropathy

Multiple mononeuropathy (mononeuritis multiplex) is the simultaneous malfunction of two or more peripheral nerves in separate areas of the body. It causes abnormal sensations and weakness.

一本の末梢神経がいろいろなところでぽこぽこやられる。SLE、シェーグレン、RA、サルコイドーシス、ハンセン病、ライム病、HIVなどの感染症
 
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p値

数学いらずの医科統計学を踏まえて。
 
問1
新薬Xは臨床試験で有効(p=0.04)と判定された。
Xはすごくよく効く。
Xは効く。
Xは効かないこともない。
Xは効かない。
 
問2
新薬Xは臨床試験で有効(p=0.04)と判定された。
「Xが効く」ということが正しい確率は 0.96
「Xが効く」ということが正しい確率は 0.04
「Xが効かない」ということが正しい確率は 0.04
「Xが効かない」ということが正しい確率は 0.96
 
問3
新薬Xは臨床試験で有効(p=0.0004)と判定された。
Xはすごくよく効く。
Xは効く。
Xは効かないこともない。
Xは効かない。
 
問4
新薬Xは臨床試験で無効(p=0.06)と判定された。
Xはすごくよく効く。
Xは効く。
Xは効かないこともない。
Xは効かない。
 
p値の定義は、「帰無仮説が真のとき、対立仮説より大きな差を生じる確率」、つまり、新薬Xと既存薬が同じ効果だと帰無仮説を設定して、対立仮説ではそれより差が出る(0でない)とする。しかもその差は0.000…1でもいいわけだから、p値の大きさ(小ささ)は効果に相関しない。
こちら

(略)両群の統計計算上の差を表すp値が0.001未満でした。
このp値が低ければ低いほど、シロリムスが効くということになりますので、非常に有効であったということです。

と言ってしまっているのは、シロリムスがびっくりするほど効くという意味なら間違いで、この場合は「シロリムスがプロセボと同じと言ってしまうのはびっくりするほどない確率だが、よく効くかはどうなんだろうね」くらいな気がする。
というわけで問1,3,4は統計学的には「Xは効かないこともない。」としかいいようがない。問2はそもそもp値の定義が、帰無仮説・対立仮説の正当性を評価するものではないので答えなし。
 
問5
絶対に無効な(けど、我々にはわからない)新薬Yがある。これを臨床研究で調べたら
絶対に小さいp値が出る。
小さいp値が出やすい。
大きいp値が出やすい。
絶対に大きいp値が出る。
どんなp値が出るかはランダム。
 
問6
絶対に有効な(けど、我々にはわからない)新薬Yがある。これを臨床研究で調べたら
絶対に小さいp値が出る。
小さいp値が出やすい。
大きいp値が出やすい。
絶対に大きいp値が出る。
どんなp値が出るかはランダム。
 
帰無仮説ではたいてい、「2群の差はない」とする。なので、絶対に差がないとしても、対立仮説「2群の差はある」は、有意水準\alphaで生じる。2群に差がなくても、どんなp値が出るかはシミュレーション上、ランダムである。
実際には2群に差がないという状況はほぼありえないと思う。なので、シミュレーション上、差が1とか3とかある状況を設定したが、帰無仮説「2群に差がない」がそもそも破綻しているので小さいp値が出やすい。

n <- 10 # 1群のサンプル数
d0 <- c(0, 1, 3) # 真の差
niter <- 3000 # シミュレーション回数
res <- matrix(0, niter, length(d0))

for(j in seq(niter)){
	for(i in seq(d0)){
		a1 <- rnorm(n)
		a2 <- rnorm(n, d0[i])
		res[j, i] <- t.test(a1, a2)$p.value
	}
}
res <- apply(res, 2, sort)
matplot(res, pch=16, ylab="p value")
legend("topleft", legend=d0, lwd=3, col=seq(d0), bty="n")


 
こちらでは高々2%の違いを判断するためにどれほどのサンプルが必要かを論じている。2%というと大したことない差とおもわれるかもしれないが、それが重篤な副作用を起こすのであればそれは大変だし、しかもそれが50人の試験のときにわかるかというと、統計学的仮説検定では
 
50人で試験をしたら、2人に副作用が出た(2/50=0.04)
既存薬では、こういう場合 0.02 の確率で副作用が出ることが多い。
では、新薬の副作用頻度は既存薬に等しい 0.02 というのは、統計学的にはどうですか?
という流れになる。

binom.test(2, 50, 0.02)
        Exact binomial test

data:  2 and 50 
number of successes = 2, number of trials = 50, p-value = 0.2642
alternative hypothesis: true probability of success is not equal to 0.02 
95 percent confidence interval:
 0.004881433 0.137137626 
sample estimates:
probability of success 
                  0.04 

p値的には統計学的に有意ではない。
(本当はもっと考察があったのだろうが)50人規模では判断できないとして、数千人規模でやったら、くっきり分かれてしまった。
図を見れば、素人目に見ても違うことがわかる。

p <- c(0.02, 0.04)
n <- c(50, 3300)

p50 <- mapply(function(x) dbinom(0:50, 50, x), p)
p3300 <- mapply(function(x) dbinom(0:3300, 3300, x), p)

par(mfcol=c(2, 1))
matplot(p50, type="l", lwd=3, xlab="# side effect", ylab="probability")
legend("topright", legend=p, lwd=3, col=seq(p), bty="n", cex=2)

matplot(p3300, type="l", lwd=3, xlim=c(0, 250), xlab="# side effect", ylab="probability")
legend("topright", legend=p, lwd=3, col=seq(p), bty="n", cex=2)


 
差がない2群で検定したときのp値の分布や、確率 0.02 で50人もしくは3000人のうち副作用が出る人数の分布はどうか、という問で同級生に図を描いてもらったのだが、プロットのようにはいかなかった(撮り忘れた)。
数学力は(たぶん)日本でもかなり上位に入る人たち(だった)でも、感覚的にこういう事象をきちんと捉えることは難しいのだろうと思った。
 
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関節痛

本当に関節痛か
急性か慢性か
部位
単関節か多関節か
増悪寛解因子
随伴症状(膠原病)
を確認する。
 
O:急性(~6w)か慢性か。急性なら感染症か反応性関節炎
P:小関節、大関節、対称性、全身性、移動性
Q:炎症症状があるか(熱感・発赤)
R:放散痛
S:歩けるか、動かせるか
T:朝のこわばり→RA
他:増悪寛解因子
随伴症状
 
ざっくり整理
問診
家族歴:乾癬、ぶどう膜炎、炎症性腸疾患、変形性関節症、痛風、強直性脊椎炎
旅行歴:Lyme病、リケッチア(山登り)、ブルセラ病(無殺菌ミルク)
社会歴:HTLV1
性交歴:HBVHCVクラミジア
薬剤歴:プロカインアミド、ヒドララジン、クロルプロマジン、イソニアジド、ペニシラミン、メチルドパ、キニジン(薬剤性ループス)
 
全身
高熱:SLEEPER、Still病、血管炎症候群、MCTD
年齢・性別:RF、成人Still病、ベーチェット
女性:SLE、RA、シェーグレン、全身性強皮症
男性:強直性脊椎炎、痛風
神経症状:SLE
 
頭頸部
皮膚:PM(ヘリオトロープ疹)、SLE(脱毛)、SLE・伝染性紅斑(蝶形紅斑)、SLE(ディスコイド疹)
眼:結膜炎(反応性関節炎)、ぶどう膜炎(ベーチェット、サルコイドーシス、炎症性腸疾患、強直性脊椎炎)
耳:耳介発赤・変形(再発性多発軟骨炎)、耳下腺腫脹(シェーグレン)
鼻:鞍鼻・鼻汁(Wegener)
口:口腔内潰瘍(SLE、ベーチェット、Wegener、反応性関節炎)、仮面様顔貌(SS)、齲歯(IE、人工関節炎、シェーグレン)
頭痛・下顎跛行:側頭動脈炎
リンパ節腫脹:感染症
 
体幹
呼吸器:肺線維症(SS)、IP(PM/DM、MCTD、血管炎症候群、SLE、、ベーチェット、反応性関節炎、サルコイドーシス)
心雑音:IE、RF、SLE
胸痛:SLE、PAN
乾癬:乾癬性関節炎
腹痛・下痢:SS、反応性関節炎、炎症性腸疾患
筋肉痛:PMR
脾腫:Felty症候群
慢性遊走性紅斑:Lyme病
 
四肢
筋力低下:PM/DM
脈拍微弱・血圧左右差:側頭動脈炎、高安病
手指:ソーセージ様手指(SS, MCTD)、ゴットロン徴候(PM/DM)、pitting edema(RS3PE)、ばち指(肥大性骨関節炎)、レイノー現象(シェーグレン、SLE、SS、MCTD)、皮疹(結節性紅斑、毛のう炎、ベーチェット)、皮下結節(RA)
リウマトイド疹:Still病
レース様皮疹:伝染性紅斑
結節性紅斑:ベーチェット
 
陰股部
泌尿器:反応性関節炎、ベーチェット
陰嚢痛:PAN
外陰部潰瘍:ベーチェット
 
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理解しがたい主訴(担当MO)

Semantic Qualifier:具体的に症状を説明する患者の言葉を医学用語に置き換えたもの

→特異度が高いもので陰性
主訴・所見・鑑別・診断
感度が高いもので陰性←

例:63M 昨夜から発赤を伴う関節の痛み→高齢者の急性関節痛
 
症例1
79M
夜中に夢の内容を現実と思って行動する、という家人の訴え
「蛇が布団にいる」
「知らない子供が便をもらした」
家人が声をかけると、はっと気づいて蛇も便も消える。
2年前の発症で徐々に頻度が増加しており、最近はほぼ毎晩あった。
既往歴・家族歴なし
薬物なし
 
key word
幻覚
レビー小体型認知症
アルコール
脳梗塞
ナルコレプシー
髄膜炎
脳炎
統合失調症→年齢・既往歴
妄想性障害→非現実として認識
せん妄→徐々に増悪
 
睡眠障害→(不眠・過眠・その他)
睡眠時無呼吸症候群
うつ病
松果体腫瘍
 
夜間徘徊
認知症
AD
夢遊病
てんかん後の発作後昏迷→失禁など
 
本人が夢を覚えている(REM睡眠)
明け方に多い行動異常
REM睡眠行動異常

REM睡眠
外眼筋以外の随意筋は完全弛緩状態。
筋抑制状態がなんらかの原因で外れている。
PD, DLBに合併しやすい。


臨床診断とは?
心不全
フラミンガム大項目
III音
下腿浮腫
JVP
coarse crackle
と小項目
 
パーキンソン病
安静時振戦
無動・寡動
姿勢反射障害
筋固縮
MIBG心筋シンチで取り込み低下
DLBに合併したRBD
 
症例2
62M
食後に耐え難い頭痛
最近2週間ほど、ほぼ毎日、食後1時間経つと右目の奥から右頭頂部、右後頭部にかけて痛みが出る。
持続時間は約1時間。食事量の少ない朝食時は起きないが、昼食と夕食後は必ず生じる。市販の鎮痛薬は効果なし。
9年前にも右頭頂部の痛みあり。脳血管造影を行ったが異常はなかった。その時は自然軽快した。
既往歴、家族歴なし。喫煙なし。機会飲酒。
 
SQ:headach postprandial headach
低血圧→失神
三叉神経痛→持続時間
側頭動脈炎→顎跛行、発症時刻
狭心症→発症時刻、持続時間
 
SQ postprandial headach が間違っている?
食事を抜いたことがあるか→ない
食事と関係なく起きたことがあるか→あった
 
群発頭痛→好発25〜50歳
「1」のつく
年1回の群発期
1ヶ月
毎日1回
午前1時
一側性
 
トリプタン

金縛り:覚醒後も続く過度の筋弛緩状態

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