貧血(担当AM)

昔やったことがある20110722
 
70歳女性
10年前喉頭癌、外科手術と放射線で治療
空腸ろう
1週間前、転倒して右上腕骨折
そのとき、血液検査にて、異常を指摘された。
そのときの血液検査結果
WBC 11100, Hb 8.4, Ht 26.3, MCV 85, MCHC 31.9
3年前はHb 12, WBC正常
 
正球性正色素性貧血が疑われるが、他も鑑別する。
 
小球性低色素性貧血
鉄欠乏性貧血
慢性炎症
鉄芽球性貧血
 
正球性正色素性貧血
球状赤血球症
出血(妊娠可能年齢なら生理も)
溶血性貧血(SLEなどの自己免疫疾患)
造血器腫瘍
再生不良性貧血
腎性貧血
感染
 
大球性正色素性貧血
悪性貧血
 
問診
Htが下がっている時にまず疑うのは、溶血性貧血と出血性貧血らしい。
これらを除外することが、次に進むために必要。
苦しいことはない。
食生活は普通。
血尿、血便はない。
B症状:発熱あり、体重減少はない、盗汗ない。
茶色の痰、湿性の咳
飲んでいる薬はない。
骨折した部位に出血はなさそう。
閉経後長期経過、性器出血もなし。
 
肝機能酵素正常
フェリチン 200ng/ml(M20~250, F5~120)
TIBC 140ug/dl(250~400)
血清Fe 26ug/dl(M64~187, F40~162)
血清鉄低下、フェリチン高値から、二次性貧血を疑う。
・検査所見から他の貧血が除外できる
・基礎疾患がある
ことが重要で、胸部X線写真で肺炎指摘。
抗菌薬で治療。6週間で治癒。
サイトカイン増加で、トランスフェリンの合成が低下するらしい。
 
65歳男性
数年前からDM、食事療法
疲労感と黄疸。
溶血性貧血のようである:網状赤血球の増加、ハプトグロビン低下
クームス試験が直接、間接ともに陽性
AIHA
治療:ステロイド、効かなければ免疫抑制剤
溶血性貧血のとき、HbA1cが破壊によって劇的に下がることがあるので、DMのコントロールの指標に用いるのはよろしくない。
 
59歳M
3ヶ月前から腰背部痛。
CT撮影。高度の圧迫骨折を確認され、骨粗鬆症を疑い、受診。
WBC 5300, RBC 280000, Hb 9.8, Ht 28.8%, MCV 102.5, MCHC 34.8, Plt 206000
TP 9.7, Cr 0.69, TBil 0.3, LDH 176
多発性骨髄腫
IgG, IgA:γグロブリン, TP上昇
BJP, IgD:γグロブリン, TP低下
腰痛と貧血があれば、多発性骨髄腫はかなり疑う。
 
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