臨床に直結しそうで、ベッドサイドですぐに役立ちそうなエビデンスはぶっちゃけ書かれていない

読んだ。

COI:定価は高かったけど古くなったのでくっそ安くなってたので買って積んでた。読み始めてから知り合いがいたことに気づいた。

インテンシヴィストっぽく、とあるテーマにたいして文献検索してPICOをまとめただけの本。解説部分と文献検索結果がだいたい7:3くらいな感じなので、500Pくらいあるけど実質300Pくらい。
ほとんどの項目が強固なエビデンスでやったほうがよい、というものではないので、結局その病院ルールで治療が進みそうな感じがする。集中治療しらんけど。

EGDTについて
www.ncbi.nlm.nih.gov
の論文、本文中では

主要アウトカムの病院内死亡率がScvO2 群で23%(95% CI 17-30%)、乳酸群で17%(95% CI 11-24%)であり、統計学的に差がないことが証明された。

と書いているが、統計学的に差がないことを証明する統計学手法があったらぜひ知りたい、と思って原著を確認すると

OBJECTIVE: To test the hypothesis of noninferiority between lactate clearance and central venous oxygen saturation (ScvO2) as goals of early sepsis resuscitation.

10%マージンを設定した非劣性デザインであって

CONCLUSION: Among patients with septic shock who were treated to normalize central venous and mean arterial pressure, additional management to normalize lactate clearance compared with management to normalize ScvO2 did not result in significantly different in-hospital mortality.

乳酸クリアランスを指標にしたショック管理はCVとってScvO2 を管理するのとは、統計学的には有意な差にはならなかった、と言っているだけであって、差がない、とは言ってないので解散。

薦める理由がない。