p値の続き(その1)。
PART4 CHAPTER15のシミュレーション。
Heal(2009)は、手術創に対する抗生物質投与が創感染を減少させるか調べた。
これをランダム割付けで試験した(後述)。データだけもらってくる。
ランダム割付けの結果、488人に抗生物質、484人にプラセボを投与した。
このうち、感染症を発症したのは、抗生物質で32人(6.6%)、プラセボで53人(11%)だった。
ここでp値は次の質問に答える。
帰無仮説:抗生物質とプラセボの感染率は等しく、感染率の差は偶然によるもの
帰無仮説が真であるとすれば、ランダムなサンプリングがこの研究で観察されたのと同程度またはそれより大きい感染率の差を生じる確率はどの程度か?
ここでは、抗生物質を使うとプラセボより感染率は小さくなるはずだ、という期待が込められているので片側検定を行なっていると思われる。
(ここではカイ二乗検定を行なっている。)
res <- rbind(c(32, 456), c(53, 431)) chisq.test(res) Pearson's Chi-squared test with Yates' continuity correction data: res X-squared = 5.3389, df = 1, p-value = 0.02085
というのも、ここでp=0.02と返ってきているが、論文では0.01と言っている。
論文では有意水準を0.05に設定しているから、帰無仮説が棄却され、統計学的には有意である。
医学的に有意かと考えると、パッと見で、プラセボから抗生物質に換えると感染率が半分になっているし、まあいいんじゃないかとは思う(リスク比とかいろいろ話があるが後述ということにする)。
追記20111201
コメントを頂いた。
prop.test()を使ってみる。
prop.test(res, alternative="less", conf.level=0.95) 2-sample test for equality of proportions with continuity correction data: res X-squared = 5.3389, df = 1, p-value = 0.01043 alternative hypothesis: less 95 percent confidence interval: -1.00000000 -0.01212703 sample estimates: prop 1 prop 2 0.06557377 0.10950413
heads <- rbinom(1, size=100, prob = .5) prop.test(heads, 100) # continuity correction TRUE by default prop.test(heads, 100, correct = FALSE) ## Data from Fleiss (1981), p. 139. ## H0: The null hypothesis is that the four populations from which ## the patients were drawn have the same true proportion of smokers. ## A: The alternative is that this proportion is different in at ## least one of the populations. smokers <- c( 83, 90, 129, 70 ) patients <- c( 86, 93, 136, 82 ) prop.test(smokers, patients) 4-sample test for equality of proportions without continuity correction data: smokers out of patients X-squared = 12.6004, df = 3, p-value = 0.005585 alternative hypothesis: two.sided sample estimates: prop 1 prop 2 prop 3 prop 4 0.9651163 0.9677419 0.9485294 0.8536585