図のような装置を考える。
血液中のゴミが透析液に移行する除去率が、流速にどう依存するかだけを考える。
右向きを正として、老廃物の血液中濃度、透析液中の濃度は、の関数として
と仮定する。
透析膜を通過する老廃物の総量は、フィックの法則に基づくとして、
単位時間に単位面積の膜を通過する物質の総量は、膜のその位置における濃度差に依存する
と考える。
透析膜を分ける濃度差は
長さの透析膜の部分を通って移行する老廃物の量は…(1)
さて、血液中にある老廃物の行く末は
(入り口を通る量)=(透析膜を通過する量)+(出口を通る量)
であるから、機械を通る量をとすると
とすると
…(2)
逆に、透析液でも考えると
2式は一対のモデル支配方程式というらしい。加えると
(透析液からみた相対速度になる)、とおけば
ここで、(2)に戻ると
積分して
に戻れば
解を完全なものにするには、境界条件をはっきりさせないといけないらしい。
(Lは透析器の長さ)
とすると、AとBが決まる。最終解は
…(3)
ここで、医学的に気になる量は、除去される老廃物の量である。
これは(1)を積分して
人工腎臓器のを作る人は、クリアランスをいかに効率良く出来るかが気になる。
入ってきた濃度に対して、除去できた総量を考えると
(3)を用いて整理し、と書き換えると
、はそれぞれ、血管、透析器に流入する量であることを思い出せば、このモデルでクリアランスを変化させるパラメータは
血管と透析器の流量比
血管の流入量に対する透析器の長さ
となる。