3.4水流についてのトリチェリの定理

ペットボトルに水をいれ、底に近い部分に小さな穴をあける。穴からの高さを測っておき、最初の高さ(11cm)から1cmごとに水面が低下する時間を測定する。
データは以下の通り。

torricelli <- rbind(c(180, 147, 121, 101, 84, 68, 54, 42, 29, 17, 7),
c(181, 147, 121, 101, 83, 68, 53, 42, 28, 17, 6),
c(179, 147, 121, 102, 84, 67, 54, 41, 30, 18, 7),
c(179, 146, 120, 100, 83, 68, 53, 41, 28, 17, 6),
c(180, 146, 121, 101, 84, 68, 54, 41, 30, 18, 7),
c(179, 146, 120, 101, 83, 67, 54, 41, 29, 17, 6))

t:水が流出し始めてからの時間
h:ペットボトルの穴から上の水の高さ
u:ペットボトルの中の水の体積
v:穴から流出する水の体積速度
とすると、体積変化
\frac{du}{dt}=-v
ペットボトルの断面積をAとすると、u=Ahであり、
A\frac{dh}{dt}=-u
と書き換えられる。
体積速度は、水がたくさんあれば速く、少なければ遅いであろう。体積は高さhで関連付けられるから、簡単に
v=ahaは定数)
という関係が成り立つとし、\lambda =\frac{a}{A}とおきなおせば
\frac{dh}{dt}=-\lambda h
h=Ke^{-\lambda t}
両辺の対数をとると
k\log h=-\lambda t +logK
という直線が引ける。が、実際のデータは直線っぽくない。

 
実際のデータとちょっと異なるので、トリチェリの定理
V^2=2gh
を使ってみる。
穴の面積がkとすると
v=kV=k(2gh)^{\frac{1}{2}}
となり、\mu=\frac{k(2g)^{\frac{1}{2}}}{A}とおくと、微分方程式
\frac{dh}{dt}=-\mu h^{\frac{1}{2}}
\int \frac{dh}{h^{\frac{1}{2}}}=\int -\mu dt
h^{\frac{1}{2}}=-\frac{1}{2}(\mu t +B)
高さを\frac{1}{2}乗すれば、もっとそれらしい直線になる。