咳嗽(担当YM)

主訴:咳嗽
33F
7日前 体熱感
5日前 咳嗽
OTC(イブプロフェン)、のど飴、氷枕で様子見しつつ出勤
症状は徐々に悪化
本日 改善せず外来受診
 
鑑別診断
細菌性肺炎
非定型肺炎
抗酸菌性肺炎
結核
喘息
かぜ
気管支拡張症
過敏性肺臓炎
間質性肺炎
ANCA関連肺炎
肺梗塞
AIDS
 
ROS
(+)痰少量、睡眠不足、頭痛、悪寒、嗄声
(-)異常尿、呼吸困難、腹部症状、関節痛、吐気、嘔吐、妊娠、髄膜刺激症状、皮膚症状
 
既往歴:扁桃腺摘出
家族歴:(-)
タバコ:20本*4年(28-31)、酒:飲まない
母と二人暮らし、菜食主義
周囲に同様な症状はない
事務職、電車通勤
海外渡航(-)
温泉(-)
アレルギー:食物(-)、薬物(-)
ペット:猫
 
意識清明
BT 38.9度 PR 93bpm BP 99/62mmHg RR <20/min SpO2 95%(Room Air)
リンパ節腫脹(-)
咽頭発赤(+)、舌苔(+)
貧血(-)、黄染(-)
心:心雑音(-)、整
肺:左下肺野で軽度減弱
 
胸部X線:左下肺野背側すりガラス陰影、胸水
胸部CT:左下葉に浸潤影
喀痰培養:Geckler 2
 
血液検査
WBC 6400 (Neu 83% lym 14% Mono 1% Eo 1% Ba 1%)
Hg 12.1 g/dl Plt 23.6万/ul
ESR 54 mm/h
TP 6.3 g/dl Alb 3.6 g/dl BUN 5.5 mg/dl Cr 0.51 mg/dl GOT 40 U/l GTP 61 U/l ALP 668 U/l g-GTP 256 U/l CRP 5.97 mg/dl
 
尿
レジオネラAg(-) 肺炎球菌Ag(-)
 
血清
M.pneumonie Ab(-)
C.psittaci Ab(-)
C.pneumonie IgM, IgG(-)
 
非定型肺炎疑い
だが、細菌性肺炎を完全に除外できず、CTRX+AZMで治療開始
 
非定型肺炎を疑う基準
1.年齢60歳未満
2.基礎疾患がない,あるいは,軽微
3.頑固な咳がある
4.胸部聴診上所見が乏しい
5.痰がない,あるいは,迅速診断法で原因菌が証明されない
6.末梢血白血球数が10,000/μL未満である
 
上記6項目を使用した場合;
6項目中4項目以上合致した場合:非定型肺炎疑い
6項目中3項目以下の合致:細菌性肺炎疑い
この場合の非定型肺炎の感度は77.9%,特異度は93.0%
 
上記1から5までの5項目を使用した場合;
5項目中3項目以上合致した場合:非定型肺炎疑い
5項目中2項目以下の合致:細菌性肺炎疑い
この場合の非定型肺炎の感度は83.9%,特異度は87.0%
 
ADROPCURB65
成人市中肺炎診療ガイドラインは簡潔にまとまっていていいと思う。
 
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