Hypunatremia(担当AY)

60F
高血圧治療中に血液検査にてNa128mEq/l
 
低ナトリウム血症の前に除外するもの:偽性低ナトリウム血症
浸透圧 > 280 mOs/kg なら偽性低ナトリウム血症
2(Na + K) + BS/18 + BUN/2.8 (285 - 295)
脂質異常症高血糖(BS 100ごとにNa 1.6減るらしい)、マンニトール、高γグロブリン血症
 
Naに関するホルモン
アルドステロン:Na↑、K↓、H↓ 遠位尿細管
コルチゾール
ADH:水↑(血漿浸透圧↑、循環血漿量↓、血圧↓時)
 
体液量で分類する(治療が変わる)
その後、腎障害の程度で分ける(再吸収が障害され、尿中Na > 20となる)。
Hypovolemic(脱水+)
uNa > 20:利尿薬、副腎不全(尿)
uNa < 20:熱傷・膵炎(サードスペース)、嘔吐、下痢
 
Euvolemic(浮腫-、脱水-)
uNa > 20:副腎不全、SIADH(体液量はそこまで増えない)、甲状腺機能低下症、下垂体前葉機能低下症
uNa < 20:心因性多飲(25 L/day)、低張性輸液過剰
 
Hypervolemic(浮腫+)
uNa > 20:腎不全
uNa < 20:心不全、肝硬変
 
血漿浸透圧を計算しよう
Na 128 K 4 BS 108 BUN 28
尿比重 1.025
 
問診
飲水普通
ソックス痕はつかない
労作時、起坐時呼吸困難なし
嘔吐、下痢なし
体重の増減は不明
気分の異常はないが、疲れやすい
飲酒:機会飲酒、喫煙:20本*40年
睡眠良好
 
既往歴
高血圧(CCBにて管理良好)
 
内服薬
CCB
 
身体診察
BP 128/64 mmHg
浮腫なし
脱水なし
黄疸なし
甲状腺腫大、腫瘤触れず
 
ということで、Euvolemicだろう。
尿検査所見
尿Na 60mEq/l
尿浸透圧 480 mOs/l
FENa 5%
腎機能が低下すると、Naの再吸収が落ちる(尿Na↑、FENa > 1%)
腎性だろう
 
TSH 2.3
ACTH系 異常なし
 
SIADHが疑われる→SIADHの原因を検索しなければならない。
肺小細胞癌(傍腫瘍症候群の2位)、CNS、十二指腸、膵臓
中枢神経系病変(脳腫瘍、髄膜炎、脳膿瘍、SAH)
肺・胸郭病変(胸腔内圧の上昇)肺炎、肺膿瘍、アスペルギルス
薬剤性(抗精神薬)
特発性
AIDS(アスペルギルスなどの合併→胸腔内圧上昇に至る)
 
特に肺小細胞癌の検索
胸部X線写真にて肺小細胞癌
 
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