退学しました

とか退職しましたとか、年度末になったらこういうタイトルのエントリが増えてはてぶ増えてやった−なんていうのが多いけど、ぶっちゃけこれは釣りタイトルである。が、学舎を退くという点では間違っていないので書く。
長い3行、という人には、要約すると
 
ニート終了
凡人は凡人なりに
今後も頑張ります
 
という話です。
 
かなりの長い時間、学校とラボで過ごしたわけだが、成果といえば国家資格、共著論文1報だけしか出ませんでした。これの構想を練っているときに、筆頭論文がn回目の投稿→major revision(悪くはないけど、ものすごい書きなおしてきてね)→minor revision(いいけど、載せる前にもうちょっとだけ書きなおしてきてね)を経てどうにかこうにか、というのと、いくつかの共著が査読にかかってる感じだったけど、限られたニート期間で仕事が終わりませんでした。我々の業界ではpublish or perishという話があって、要は論文書くか死ぬかという話で、これがDなら死んでました。最後の2年間くらいはアニメ見て分析して記事書いて反応あってヤター的な感じだったけど、正直な話、アカデミアで勝負するなら論文投稿してなんぼだし、いくらこんなアニメ記事で反応があってネット弁慶になったところで世間的にはまったく生きていけないのだから、もうちょっと生き方を修正するべきだろう。けれども、ニートとして有り余る時間を使ってデータの前処理や解析の仕方そのものを手探りだけれどもいろんなことをひと通りやれたのはすごい勉強になった。豊富な参考書と潤沢な計算機資源に恵まれたのもそうだし、研究室のメンバーや教授にいろいろご指導頂いたのも、本当に恵まれた環境にいたのだと今更ながら実感している。この点は感謝したい。
 
学会や研究会、勉強会に出て、いろいろな研究者や同年代の学生とたくさんお会いした。中には一流論文に掲載されたとか、名誉ある賞を受けたとか、そういう素晴らしい話もたくさん聞いた。一方で、晒しあげはどうかと思うが、はてぶに書いているので引用するとこれとかこれとかこれとか、ブログの内容を拝見するに能力はすごいあるんだろうという方々でもこの業界ではうまくいかなかったという話もたくさん見たし聞いた。よくあるデータサイエンティスト論調として、データサイエンティストはKDDとかICPRとかそういうすばらしい国際学会に新規アルゴリズムをばんばん出す人、みたいな話があるけれども、既存手法を組み合わせて統計学および医学生物学的に判断をするタイプの人間にしかならないであろう私にとっては、おそらくこれらの記事のような結末をたどる可能性は非常に高い気がする。
 
幸いにも、いろいろなところに顔を出して、こういうブログを書いていることもあって、たくさんの方々から声をかけて頂いた。具体的にはAACDEFGRY社とか、TKYNH大学とか、そういうところに所属する解析実務担当の人とかデータあるけれどもどうにかしたい人たちだった。例えばこれ(これは転職して落ち着きましたエントリだったけど)で言っているように、なんだかんだでデータ解析して役立てたい需要に対して実際にそれができる人口は足りていないらしい。こういう人の業界はプログラミングしたり解析したりという素養のある人がもうちょっと多い界隈だと思うけれども、そこでも足りていないらしいし、我々の業界なんかは顕著で、バイオインフォマテシャンが足りていません、って私が入学してからn年間、ずっと言われている気がするのだけれど、まったくその話は変わっていない気がする(そもそも実態調査がどれくらいあるのか知らんが)。おそらくこれが普通の修士とかなら、そのまま就職してスクフェスの上位課金厨を相手に生計を立ててたんだろうけど(GitHub面接を探したりアニメイトにESを送ろうと思ったことはある)、ここは無駄か崇高かどちらか分からないけれども、というかどちらかというと無駄寄りだが、いままで自分がいた環境というか境遇というか、それを考えるとそういう一般企業ではなくてアカデミアで能力を発揮しなければならないという、良く言えば適材適所、悪く言えば高慢な勘違い的思考があって、たぶんアカデミアで頑張るような気がする。しかしながら当面は社畜になることが確定したので、社会復帰、というかお前そもそも社会に出たことないだろうという指摘はさておいて、社畜を経ておそらくいま流行りのD進、どうですか!?!?的な展開になるだろうけれども、さきほどの先人たちの話を見つつ、これから大丈夫だろうかと思ったり思わなかったり。