ソーマ君は2巻の読み切りでこんなことを言ってました。
数限りない食材と
数限りない調理法
俺は全部を試してみたい
料理ってものを食い尽くしてみたい!
生き急いでもそれでも足りない
遺伝学で近年、NGSだとかGWASだとかで、各個人のゲノム構成の細かな差異が分かるようになって、大部分はほとんどの人間で似ているけれども、ほんのちょっとの違いが病気になるならないだったり、病気じゃなくとも例えば薬の効き目に大小があったりするわけで、それを規定しているのは基本的には遺伝子の構成パターンである。それの組み合わせでいきものがどうなるかを考えるわけなのだけれども、その数限りない組み合わせをどう処理して、どう解釈するのか、それに興味がある。遺伝子の構成だけではなく、他にも薬の飲み合わせなんかはそうだと思う。いま、polypharmacyという言葉があるらしいけど、高齢者では軽く10から20くらいの薬を飲んでいる。基本的には薬の効能を確かめる大規模試験のときには、高々1000のオーダーで、「こういう患者でこういう検査値以内でこんな人」が決められた手続きに則って試験が行われるわけだが、市場に薬が出てからも追跡調査が行われる。というのも、10から20の薬を飲んでいる人が追加で新薬Xを飲んでどうなるか、なんて先の試験には含まれていないからで、このときの悪い影響を拾い上げるのも新薬開発のお仕事である。実際には10から20の薬の組み合わせなんてやる前には絶対分からないような組み合わせだろうけど(実際にはよくある疾患とよく出される薬の組み合わせから予想はできる。ここらへんの組み合わせにも興味ある)、じゃあ最近はやりのデータベースからこの組み合わせのときの薬効を予測できないかとか、それをまた遺伝子情報と照らしあわせてもっと精度よくできないかとか、それで、その人にとって最適な薬の組み合わせと飲む量がどうにか決めれれないか、的なことにとりあえず興味がある。ソーマ君と違って考えられる組み合わせを全部試そうとは思わないが、そこはコンピュータと統計学の力を使ってなんとなく組み合わせを選ぶ。ぶっちゃけ言えば最適化に興味があるわけだが、そのあたり今後何かできたらと思う。
入学した時には自分は無限の可能性があるステムセルだヤターなんて思っていたけれども、それは勘違いで思っていたほどできる人間ではなく、普通の人だったことがわかってしまった。リプログラミングして再びステムネスが!!なんてことが、もしかしたら今後のストレスで誘導されうる(!?!?)かも知れないけれども、普通はそんなことなく、もう分化してしまった以上その能力でなんとか頑張っていくしかない。それでも、こんな私に期待してくださる方がリアルに数人はいる以上、あがいていきたいと思う。いままでブログを読んでくださった方、ありがとうございました。