退職しました:働いてよかった5つのこと、ダメだった7つのこと

退職しました。次はどうするかというと昔ぼやいていたようにD進するらしいです。
何をしていたかというと、いわゆる対人のお仕事で、コミュニケーションスキル()がくっそ必要だったので毎日ヒーコラ言いながら働いていたが、お世話になった各部署では上司からも同僚からも後輩からもいわゆる顧客からもいい評価をもらえたとおもう(表面上は)。
対人のお仕事とかいいながら、かなりの時間は「この解析やって!!」「新しいデータ出たんだけど!!」という上からの圧力ご厚意でデータ解析をしていた時間のほうが長いときもあったんじゃないかと思ったけど、その甲斐あって論文が1本通ったのと、今も数本査読中という感じで、まあ、いろいろあった。
 
退職しましたエントリに取り上げられるような、ITとか情報系とかそういう職ではないし、世の中にたぶん自分と同じ境遇というか悩みを抱えている人はおそらく各年代に5人くらいしかいないとおもうけど、働いてみた感想をば。
 
働いてよかった話
・お金を稼いだ
しょっぱなからこれがくるのはなんともアレだが、やはり、働く以上はお金が第一である。もちろん、いまの職をやりがいで選んでいる人もいる(正気か?)し、コミュニケーションが好きだから()、とか、自分の技術が云々、という人もいる。
だがしかし、働いて対価としてお金を稼ぐというのは重要である。それなりに貯金もできたし、生きていくには困らない。税金は困るけど。
 
・人と出会えた
意識高い系大学生()が言っちゃいそうなセリフだが、やはり人というのは大きな財産である。自分一人でできることはたかがしれている。困ったときに相談できる(ぶっちゃけると相談されることのほうが多かったけど)人、いまの仕事や生活や趣味やテーマは限らず、相談できるような人、参考にできる人に出会えたのはよかった。
 
・自分の実力がわかる
実力、というのは悪い意味で、大学を卒業するときには、本当に、「自分の力があればなんでもできる」(とまではいかないけど)と思っているフシがあったわけで、でも働いてみると、自分の思い通りにならないことはたくさんあって、うまくいったとしても、それは周りの人の力とか、施設のもつ能力だとか、そういうのがあってこそ自分の職業上の力が発揮できるわけで、いかに自分よがりな一人相撲をしても、目の前の人の問題を何一つ解決できない、というのは身にしみて思った。であるから、自分の力量というのがすごいはっきりとよく見えてくるようになって、だめなもんはすぐ上司呼ぶ、やれそうならある程度解決案を理論武装してから相談する、どうみても失敗しても自分でケツふける程度のことならばしっかり責任もってやって報告する、というのは、20:75:5 くらいの比率でやれるようになった。
 
・健康、五体満足であることのありがたみを噛みしめるようになった
職業上、不健康なことを扱うわけだが、自分が健康で過ごせていることがいかに奇跡でありがたいことかわかった。健康管理は気をつけるようになった(というと下で矛盾が生じるが)し、親に感謝の電話をした。
 
・翌年度以降の単価が上がる
数年のいわゆる修行期間を終えたということになるので、日単価が10倍くらい上がるようです、バイト先によっては。
 
働いてダメだった話
・お金が稼げなかった
上といきなり矛盾する話だが、額面で言えば、同年代よりかはおそらくもらっているんだろうとは思う。が、身分上は非常勤、しかも日給制であり、福利厚生? なにそれおいしいの? 状態である。
時間外手当が出ないというのは、勤労意欲に非常に影響する。勤務時間外から始まる会議、勤務時間外に降ってくる業務、勤務時間外に当てられる緊急の担当案件、どれも無給。
かといって、世間からは「お客様は神様です」のごとく、相手の健康が第一、こちら側の都合?勤務時間外?無給?夜勤明け?連続勤務? なにそれおいしいの?状態である。
直近で一番つらかったのは、16時間の夜勤ののち、人手不足のため超緊急案件を3件も当てられ、そのまま日勤(本 来 は 休 み)を強いられ、その日は結局日付が変わる直前まで、15時間の超過労働をしたけど、無給なので労働ではありませんロジックです本当にありがとうございました。
というわけで、時間外手当がないし日給制なので国民休日の回数に影響されるし、土日はもちろん無給だしで非常に腹立たしい思いをしました。
 
・体調を壊しかけた
上のような働き方をしたけど、肉体的にも精神的にもかなりキてました。3割弱がうつになるらしい。それでも一度も医療機関のお世話にならなかったのでまあ、たぶんこれくらいの負荷では働けるってことでしょう(死亡フラグ
日勤からの夜勤からの日勤は、夜勤中の深夜3-4時くらいから自覚できるくらいの動機を感じていたこともある。頭痛がありながら日勤をして(アッこれいわゆる脳血管くるわ)って覚悟したこともある。けれどもなんとかなった。もうしたくない。
すんごい崇高なこと()を言っているけど、自分も大きな組織に属していた立場からいうと、こういうのは形骸化しているのが常識なので、これから働き始める人は気をつけてくださいとしかいいようがない、本当に済まないと思っている。
 
・しょうもない仕事が多い
すべての無駄は実は大切なことだ、とか、下積みの期間はそういうもんだよ、とか、そういうレベルを超えてしょうもない仕事が多い。たぶん、危険物取扱者は危険物も非危険物も取り扱っていいんだろうけど、だからといって非危険物も取り扱いの業務に含めるのは、危険物を取り扱えるという特殊性、専門性をまったく活用できていない。それを、「ここではそういう取り決めなので」という思考0 のしきたりで有資格者に危険物も非危険物もどちらも任せてしまうのは本当に無駄だし他のやつらも働けそういうことがまかり通っているところは本当にやめて欲しい。物資の部署間搬送とか本当にどうでもいいし誰がやってもいい業務、それをやらされる時間をもっと担当の案件とか勉強に使いたかった。
 
・見切りが早くなった
ある程度、現場で経験を積めば、この場合はこれこれこう辿ってこういう結末に行き着く、というのは初見から予測がつきます。たがしかし、相手は素人です(バカにしているわけではなく)。どうにもならないことをどんだけ説明しても通じないのは、ぶっちゃけていうと、まあ、ディスコミニュケーションってやつですか(適当
 
・責任感がまったくなかった
担当というものは当てられるわけだが、結局雑用をこなすお手伝いさんという立場を出ないわけで、本当に担当になったその人のことをすべて考えて管理していこうとしたかというとそうでもなく、いったん手を離れてしまえば(ほとんど)二度と自分のもとには帰ってこないわけで、そういう意味では、最高責任者である上司とは熱意や思い入れが段違いに薄かった。
 
・充足感がなかった
いくつか理由があるけれども
ひとつめが、「おれのおかげでうまくいったわ」とか「おれがやったったわ(ドヤ顔」というのがまったくなかった。皆無だった。むしろ、思い返してみると、「やっぱり今回もダメだったよ」しか記憶にない。自分の実力がわかる、でも書いたが、自分ができることって、たかが知れてるわけで、それでも、ある程度のいい大学()を出てある程度の成績()を修めた身としては、なにかしらのやったった感を期待していたのは事実で、それはまったく得られなかった。
 
ふたつめは、警察沙汰になったこと。いまの仕事を続けていく気力はほとほと尽きた。ほかにも「訴えてやる!!」とは2回言われたことがあるが、そのようなときにはまともに取り合わずにニコッ っとやり過ごすように教育されている。どれだけ正論で対応しても話は通じないし、相手の気持ちが一番()であるので、取り合わないのが一番いい手なのだが、そういうことを繰り返していると心は確実に荒んだ。
 
みっつめは、まあ、ここに書くのはアレなので…
 
・自分を叱ってくれる人はいなかった
ある程度の業務は、まあ、こういうとなんだが、自分は優秀()だったのでそこそここなせたし、そこそこの大学を出ていて勤務先では、こう言うとアレだが一番上のところだったので、「君はいい大学を出てるクセに全然できないね()」と煽られるよりかは「さすがいい大学を出ているだけあるね()」と煽られる褒められるほうが多かった。ごくまれに、どんな相手でも喚き散らす頭の中がアレェな人とか、年下の男が生理的にアレェなアレェな人種とか、そういう人らに理不尽な(今思うと何か意味があったんだろうけど、やっぱり今思い返しても理不尽でしかない)指導というかなんというか、そういうのをされたことはある。しかしながら、まっとうな批判をくれる上司とか同期とか後輩とか、そういう人には恵まれなかった。とは言っても、自分もまっとうな批判をできているか、というと、その場の空気を保つ方が大事だし、言ったところでこじれてめんどくさいことになるだけなので結局口を閉じていたことばっかりだったので、これはまあ、お互い様というかなんというか。
 
というわけで、これから働き始める人がいればメッセージを
働いている姿はまわりに見られている。定時内にすべての業務が終わっていれば姿が見えなくても文句は言われないだろうが、仕事場に長くいることが美徳の我が国の現状においては、現場にいるほうがいい。現場にいないが仕事ができる、より、現場にいるけど仕事ができない、のほうが評価される(というと悲しいけど)。というのも、最初の数年はどうしても監督されて指導される身分なのだから、上司の監督責任が及びにくい範囲でいろいろされると、結果的に何も問題なくても上司の心の不安が取れないわけで、そういうのは評価が低くなる、というのはよくわかった。
次に、演技力は必要である。現場にいる姿を見せつつ、次は「いかに頑張っている自分」を演出するかも重要である。
 
給与はモチベーションに直結する。福利厚生、賞与年2回、有給休暇をきちんと消化できる(欲を言えば買い取ってくれる)、そういうところで働きたいし、搾取されて安い労働力として使い古される立場になってはいけない。
 
資格に見合った仕事をするべき。