人工呼吸

読んだ。

INTENSIVIST Vol.10 No.3 2018 (特集:人工呼吸器)

INTENSIVIST Vol.10 No.3 2018 (特集:人工呼吸器)

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INTENSIVIST Vol.4 No.4 2012 (特集:呼吸器離脱)

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安かったので呼吸器離脱を買っては積んでいて、某新型肺炎の人工呼吸器患者が増えたせい(?)で人工呼吸器本が売れた(?)ため一時期人工呼吸のほうはずいぶん高値で取引されていたが、ようやく余り始めた(?)のか買って、結局某新型肺炎の診療をせざるを得なくなったので読んだ。
結論から言うとよかった。

呼吸器離脱のほうが2012年と早くに出版されたので、人工呼吸器そのものや呼吸器のモードはあまりページが割かれておらず、離脱するには、とか抜管するには、とかそういう話が多い。それでも、離脱困難患者の基礎医学①呼吸仕事と呼吸筋疲労のp784 では

しかし逆に、楽にに自発呼吸をしている患者に対し、サポート圧を低下させることで持続的にそれ以上の負荷を与え、筋力を鍛えようとすることには意味がないと報告されている。また、筋力を鍛えようと、呼吸器離脱の途中で段階的に圧を下げていくとことも、人工呼吸期間の短縮には貢献しないとされる。

Discontinuing mechanical ventilatory support
と書かれていて、一生懸命自発呼吸からPS(pressure support)を5〜6cmH2Oまで下げてから抜管、みたいなことをしていたので参考になった。そうなるとSmartCare の存在意義がなくなると思ったがどうなのだろう。ちなみにEvita はあるがSmartCare は使ったことがない。

人工呼吸器はそれから遅れること2018年に出版されたようだが、ここで人工呼吸のモードや会社による人工呼吸器の違いなどが割と細かく説明されている。呼吸器離脱ではSIMVは使うな、としか書かれていないが、こちらでは補助換気と自発呼吸が短い間隔で切り替わることによって呼吸中枢が追いついていけないから、みたいなことが書かれていてようやく腑に落ちる。とはいっても人工呼吸器から読んだのでわかっていたが。
人工呼吸器の機械とモードの多さと混乱具合が述べられていて、この教科書にもこう書いてある。

There are nearly 300 commercial names for modes of ventilation and no standardized vocabulary nor classification system.
CHAPTER 92 Design and function of mechanical ventilators

300もあれば比較試験はほとんど無理なもので、だいたいなにか使えばまあ適当にどうにかなるのだろう(適当