海の人間と陸の人間の遺伝学

MikuHatsune2014-01-27

凪のあすからで、「海と陸の人間との間に生まれた子供は海中では生きていけない」という設定があるのだが、海の人間であるみおりと、陸の人間である至のこどもである美海が、急に海の中で息ができるようになったので遺伝学的に考察する。
家系図の作成にはkinshipを使っていたが、いつのまにかkinship2なるパッケージがきていたので使ってみる。
 
「海と陸の人間との間に生まれた子供は海中では生きていけない」という情報から、海で生きる表現型は劣性なのだろうと思う。ただ、元々人間は海にいて、陸で生きるものも出てきた、という設定らしいので、進化的にどうなの?とは思うがそういうことなんだろう。
で、海の人間と陸の人間のこどもである美海が、いままでは海で息ができなかったが急に息ができるようになったらしいので、海の表現型が発現(浸透率が100%ではなかった)のか、至が海のアレルを持っていてそもそも美海が劣性ホモで、表現型の発現に時間がかかったとか、そんな議論になった。
 
海の人間と陸の人間でGWASしようとか、そうなったらHWEが成立していないとか、海村が14しかこの世界に存在していないらしく、近交系になるので集団構造化が必要とか、遺伝的浮動シミュレーションはどうか、とか、そんな話で盛り上がった。

library(kinship)

id <- c("母", "灯", "みおり", "至", "あかり", "光", "美海", "晃")
Mother <- c(NA, NA, NA, NA, "母", "母", "みおり", "あかり")
Father <- c(NA, NA, NA, NA, "灯", "灯", "至", "至")
Sex <- c(2, 1, 2, 1, 2, 1, 2, 1)
affected <- c(2, 2, 2, 1, 2, 2, 2, 1)
status <- c(0, 0, 1, 0, 0, 0, 0, 0)

ped1 <- pedigree(id, Father, Mother, Sex, affected, status)
pat <- which(id == "美海")
p1 <- plot(ped1, cex=1.5, mar=c(12, 1, 6, 1))
#xy <- locator(1)
text(p1$x[pat], p1$y[pat], "→", cex=3, srt=45, xpd=TRUE, adj=c(1.7, 0.7))
title("凪のあすから 遺伝学", cex.main=3)

text1 <- "凪のあすから16話で,美海が海の中で呼吸できた。「海と陸の人間との間に\n
生まれた子供は海中では生きていけない」という設定から,海中で生きる\n
表現型は劣性形質(a)だと考えられる。しかし,美海が海の表現型であったこと\n
を考慮すると,(1)美海はAaだが,浸透率が100%ではなかったので海の表現型\n
になった,(2)至がAaで,美海はaa,つまり至の両親のどちらかは海の人間\n
だった説になる。紡の祖父の勇が元々海の人間だったことや,晃の表現型の\n
情報があればもっと説明つきそう。伴性遺伝やゲノム刷り込みとか小難しいこと\n
は知らん。"

text(par()$usr[1]-0.07, par()$usr[3]+0.8, text1, xpd=TRUE, pos=4, cex=1.5)

idx <- which(affected == 2 & id != "美海")
text(p1$x[idx], p1$y[idx], "aa", cex=2, pos=3, xpd=TRUE)
text(p1$x[which(id == "至")], p1$y[which(id == "至")], "(1) AA\n(2) Aa", cex=2, pos=3, xpd=TRUE)
text(p1$x[pat], p1$y[pat], "(1) Aa\n(2) aa", cex=2, pos=3, xpd=TRUE)