BUGS で学ぶ階層モデリング入門

読んだ。

BUGSで学ぶ階層モデリング入門: 個体群のベイズ解析

BUGSで学ぶ階層モデリング入門: 個体群のベイズ解析

データ置き場
階層モデリングの本は和書でもたくさん出始めているけど、この本は
Bayesian Population Analysis using WinBUGS: A Hierarchical Perspective

Bayesian Population Analysis using WinBUGS: A Hierarchical Perspective

  • 作者: Marc Kery,Michael Schaub
  • 出版社/メーカー: Academic Press
  • 発売日: 2011/10/12
  • メディア: ペーパーバック
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の訳本で、筆者らによる意訳や補足がけっこうついている。日本語記事でこの本に言及しているものはほとんどなかった。
 
たいていの本がタイトル詐欺であるように、この本も入門といいながら入門レベルは超えていて、R の扱いやBUGS を少なくとも作動させられるレベルであることが要求されている。しかし、本書はBUGS コードがまるまる書いてあるので、写経するだけで入門者でもBUGS に慣れることができる。
逆に言うと、固定量効果からランダム効果に変更しただけのモデルもすべて書き下してあるので、ページ数がそのせいで無駄に増えているところが特に後半に顕著。
 
生態学では個体数N を記述することが至上命題であり、それを推定するためのモデルがたくさん考えられている。
N個体がいるだろうけど、観測の都合上、本当に観測できるかは確率によるので、生存のフラグ\{z|0, 1\}を用いて、観測されるかどうかをy\sim bernoulli(zp) でサンプリングできる。
これにサンプルID、観測時刻ID、サイトID をたくさん入れられる。
 
医学的に気になるパラメータは、ある介入をしたときに生存できる確率だったり、生存が伸びる期間だったりなので、適宜モデルを変更すればいい。
BUGS の記法はstan と似ているので、BUGS の導入ができるのならばやれそう。stan とBUGS とJAGS は微妙にできることに差があるので(収束の速さとか使える型とかだったけど参考忘れた)、適宜使いこなせたらいいと思う。
 
ごついけど買いだと思う。