その1とかその2とか条件付き確率とかそれについてプロットしたものについて続き。
A:擬父が子の真の父であるという事象
B:親子鑑定で擬父が真の父だという結果
親子鑑定結果が出たとき、擬父が本当に真の父か、という確率が問題となる。
ベイズの定理から
辺々割ると
ここで、を尤度比という。
事前確率が0.5なら、は尤度比のみに依存する。
ここで、は父権肯定確率という。
用語をつらつら並べたが、
父権肯定確率は、鑑定結果が出たとき、真の父という条件付き確率。
ここで、父権肯定確率は、ベイズを考えれば事前確率に依存する。
例えば、あるひとりの男が父かそうでないか、という話なら、父か父でないというふたつの事象しかないなので、理由不十分の原則により、事前確率は0.5とおける。
が、たいていは父候補3人です、とか、大災害で犠牲者たくさんとなれば、事前確率は0.33とか1/1000とかでようわからん。
ここで、尤度比を使えば、事前確率に左右されないし、求めやすい。
というのは、を見ると、真の父から発生しうる鑑定陽性パターンと、真の父ではない一般人から発生しうる鑑定陽性パターンを考えればいいので、ごり押しでなんとかなる。これをLとすると、父権肯定確率は
M:母。母子関係は確定しているものとする。
C:子。
AF1:擬父その1
AF2:擬父その2
ある1ローカスだけで考える。ここで存在するアレルは、P、Q、Rで、存在頻度はそれぞれp、q、r。
父権肯定確率を考えよう。
例その1
は簡単。母からPをもらい、父からPをもらう。
については、真の父ではない一般人からPをもらえばいい。母からPをもらい、不詳の父からPをもらうには、アレル頻度pのプールからPをとってくればいい。
は、理由不十分により0.5
父権肯定確率は
例その2
は、母からPをもらい、父からQをもらう。
については、母からPをもらう場合と、Qをもらう場合を考える。各々排反なので
は、理由不十分により0.5
父権肯定確率は
例その3
擬父が複数きました。事前確率はさあわかりません。
こういうときは、尤度比を比較するようです。
AF1について
AF2について
となり、AF2のほうが父らしいとおもわれる。
例その4
母が分からない場合。
は、母が分からなくても、父からPをもらうかQをもらうかであり、各々排反なので
については、母からPをもらえば不詳の父からQ、逆も考えて
例その5
アレルは分かっているけれども親子関係がまったく分からない場合。