消化管出血(担当KY)

66M
血便とめまいで救急搬送
まず、やるべきことは:救急のABCD
ショックか否か
 
GI出血のfirst step
血行動態の安定化
再出血への準備
初期診断のための検査
(出血箇所の同定よりも)
 
循環血液量の評価、輸液
初期にはHctが正常なので注意
 
初期診断の検査
决算
血液検査
肝機能
PT、APTT
胸部Xp
経鼻胃洗浄
 
消化管の上下どちらかからの出血かで鑑別する。
上部(トライツ靭帯より口側)
胃十二指腸潰瘍
胃癌
食道静脈瘤破裂
食道癌
穿孔
血管異形成
Dieukafoy潰瘍
 
下部(トライツ靭帯より肛門側)
大腸癌
潰瘍性大腸炎
大腸ポリープ
虚血性大腸炎
クローン病
絞扼性イレウス
穿孔
アメーバ赤痢
偽膜性大腸炎
憩室炎
 
結腸・肛門
肛門癌
直腸癌
痔瘻
裂孔
 
問診
(追記:この人は意識があったようで、患者本人から問診)
O:今朝から血便。
T:朝食時からピクピクと痙攣。そのときのトイレで若干血。その後軽快したが、500ccの鮮やかな出血。
トイレから立ち上がるとめまいがして、15分ほど座り込む。
腹痛、便秘、下痢、吐き気なし。
食中毒の原因となるようなものは食べていない。
家族に癌はない。
服用薬はない。
既往は特にない。
年50箱の喫煙。6年前から禁煙。お酒はビール2,3本/日
渡航なし。
 
身体所見
座位 120/92 HR100
立位 100/80 HR122
BT37.0 RR16
腹膜刺激症状なし
腸蠕動音亢進、軟。緊張なし。
肝脾は触知しない。
直腸診で新鮮血あり。
心肺の聴診清。
 
消化管出血の同定には、内視鏡が最も有用だが、血行動態が安定しないうちには施行しないらしい。
 
1Lの生理食塩水を投与したが、再度大量の新鮮血下血。
ICU搬送。
 
6時間後、状態が安定してきた。
下部消化管内視鏡検査を施行。
 
左側結腸に多数の憩室。
右側結腸に出血していない血管を多く含む憩室。
多発性憩室症からの憩室出血。
 
再発性、無痛性
頻度:左>右
重症:左<右
 
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