2/27 MIKUセミナー 線型1回微分方程式

MikuHatsune2012-02-27

線型1階微分方程式の話。
\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)
となる微分方程式を扱ってきたが、例題ではそれぞれP(x)Q(x)がどうなっていたであろうか。
 
4.2広告に対する売上げ反応では、
\frac{dS}{dt}+(\frac{rA}{M}+\lambda)S=rA
であった。
P(x)=\frac{rA}{M}+\lambdaは定数、Q(x)=Aも定数としてモデル化した。
 
4.3美術品の贋作では、
\frac{dy}{dx}+\lambda y =r(t)
であり、P(x)=\lambdaは定数、Q(x)=r(t)は関数としておきながら、微分方程式を解く段階で定数扱いにした。
 
4.4電気回路では、
\frac{dQ}{dt}+\frac{1}{RC}Q=\frac{E}{R}
であり、P(x)=\frac{1}{RC}は定数、Q(x)=Eは関数としておきながら、微分方程式を解く段階で定数にして、演習でやっぱり関数E=E_0 \cos(\omega t)にしている。
 
4.5魚の個体群の資源開発では、
\frac{dw}{dt}=\alpha w^{\frac{2}{3}}-\beta w
から
\frac{dw}{dt}+\frac{\beta}{3}v =\frac{\alpha}{3}
と変換している。P(x)=\frac{\beta}{3}は定数、Q(x)=\frac{\alpha}{3}も定数である。
 
4.6新古典派の経済成長では、P(x)は定数、Q(x)は関数で微分方程式を作っている。
 
4.7五大湖の汚染では、
\frac{dP_l}{dt}+\frac{r}{V}P_l=\frac{rP_i}{V}
であり、P(x)=\frac{r}{V}は定数、Q(x)=\frac{rP_i}{V}は関数としてモデル化して、最後にはP_i=0として、半減期のようなものを求めている。
結局、
\frac{dy}{dx}=-ky
と同じモデルである。
 
線型1階微分方程式は、
\frac{dy}{dx}=-ky
を基本に考えて、
\frac{dy}{dx}=-P(x)y
となるものを考えたが、これだと指数関数的に減少していくので、何かしら供給するようなものQ(x)を考えて 
\frac{dy}{dx}=-P(x)y+Q(x)
として、最終的に
\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)
としたものが、積分因子でなんとか解けました、ということなのだろうか。
そうすると、P(x)が定数、4.4電気回路のようにQ(x)=\cos tのような周期関数なら、なんとか積分が初等的に解けるし、そんな感じでモデルを立てるセンスがつくのだろう。