某試験の勉強をしていると呼吸生理のところでクロージングキャパシティというものが出てくるが、なんのことだか覚えていない。
下記リンクによれば
スパイロメトリーから得られる肺容量に関係する情報は,スパイログラム上に表わされるが,残気量を含む成分は直接測定することができない.しかし臨床では,直接測定することが困難な機能的残気量とクロージングキャパシティに関する知識が必要である.
(中略)
CC とは,最大吸気位から最大呼気位まで肺内の空気を呼出していく時に,末梢気道の閉塞が起こり始める肺容量である.CC は体位や麻酔などの影響を受けないが,年齢により増加する.CC が FRC よりも大きくなると,安静時の呼吸でも末梢気道の閉塞が起こっている.すなわち,高齢者や仰臥位の全身麻酔下の患者では,CC が FRC よりも大きくなっているために,通常の換気でも,1 呼吸サイクル毎に末梢気道の閉塞が起こっている可能性が高い.この状態が継続されれば,末梢気道の閉塞から無気肺をきたし低酸素に至る可能性がある.
臨床的に不均等換気を検出する検査法としてはクロージングボリューム法があり,最大吸気の状態から徐々に呼気を行った場合に肺胞が最初に虚脱する時点で,さらに残気量くらいまで呼出できる肺容量をクロージングボリュームと定義している.クロージングボリュームに残気量を加えたものはクロージングキャパシティと呼ばれているが,このクロージングキャパシティと機能的残気量(FRC)の関係は臨床上きわめて重要である(図 6).例えば,肥満患者は非肥満患者に比べて特に仰臥位では低酸素状態になりやすい.これは肥満に伴う腹部内圧上昇などでFRC が低下し,FRC レベルがクロージングキャパシティレベルよりも小さくなっている状態が発生するからである.すなわち,安静呼吸時に肺胞の一部は最初から虚脱した状態で肺シャントとなっている状態である.同様に妊婦では FRC の低下が生じFRC をクロージングキャパシティが越える状態が発生しやすい.また,FRC の変化がなくても,加齢などによりクロージングキャパシティが FRC より大きくなれば肺シャントの増加により低酸素血症が発生する.